スキージの管理

 

スクリーン印刷で印刷された製品の、仕上がりの良し悪しが決まる要素の一つに「スキージ」があります。版上のインキを押し出して材料に転写する道具ですが、スキージの選択と仕上げ方が製品の品質に大きく影響します。

 

弊社では色々な種類のスクリーン印刷をしますので、4種類のゴム硬度のスキージを使い分けて使用しています。長年の経験から、絵柄やインキの種類、版のメッシュ数などを考えて使用するスキージを選びます。ゴム硬度の使い分けはザックリ言いますと、インキの膜厚を厚くしたければ柔らかいゴム、薄くしたければ硬いゴムを使用します。

(スキージゴム4種類、色分けされています)

 

そして、使用する前にスキージゴムを研磨して、一度リセットしてからその製品に合った仕様に仕上げます。ここで重要なことは、スキージゴムが真っ直ぐかどうかです。真っ直ぐに研磨できていないと、部分的に色の濃淡ができムラになったり、インキが盛れ過ぎたところができて膜厚が厚くなり乾燥に影響がでたりして、製品としてNGになってしまいます。それらのことを無くすために弊社ではスキージ研磨機を使用しています。350㎜~1,150㎜幅の色々なサイズのスキージを使用していますが、当たり前ですがどのサイズも真っ直ぐ研磨できます。(スキージ研磨機が無かった頃は真っ直ぐ研磨するのがなかなか大変でした。)

(スキージ研磨機、砥石が回転しながら移動して研磨していきます)

 

もうひとつ重要なことはスキージゴムのエッジです。スキージ研磨機で研磨した後のエッジはほぼ直角で角が尖っています。スキージゴムのエッジは印刷する時に版に直接触る所で、ゴムなので摩擦で多少削れてしまいます。そうしますとゴムに傷が入り絵柄に筋が入ってしまい製品としてNGになってしまいます。それを防ぐために、あらかじめ砥石やサンドペーパーを使いエッジを面取りして角を落とします。絵柄や色、インキの種類などを考えて面取りする量(エッジの丸さ)を決めて仕上げます。また、季節によって変えることもあります。

 

スキージの仕上げ方の設定はデータとして残していますので、リピートの依頼を頂いても、オペレーターが代わっても同じ仕様に仕上げることができます。製品の良し悪しに直結しますスキージの管理は、安定した製品を作り続け、品質を管理する上でとても重要な要素のひとつです。

 

長い梅雨が始まりました。体調には気をつけていきたいと思っています。

 

                                アールアイ

 

 



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