水発色印刷

物質が外部からの刺激(熱・光・電気・溶媒の種類・圧力など)によって、色・蛍光などの光物性が可逆的(変化して再び元の状態に戻ること)に変化する現象を「クロミズム」といい、そうした機能を持つ物質・材料のことをクロミック物質やクロミック材料といいます。
水発色は水が付いた箇所が発色します。水の作用で変色する機能を持った「ハイドロクロミック」 (Hydrochromic) という物質を利用して、小児用の玩具や教材・服・傘など水発色を使った商品が、日常生活の様々なもの利用されています。

水発色印刷

水発色印刷は印刷部分(白色)を水で濡らすと透明になる水発色インキを使用した機能性印刷です。水発色インキ(PILOT INK)は親水性のシリカ(吸水性があり、乾燥剤、インク吸着剤、艶消し剤などに利用されている)などの顔料を混ぜたインキで、乾いた状態では白色で不透過(少し下地が透けます)ですが、水分を吸収すると透過性が上がり下地が見えるようになります。また、水発色の上に水を弾く特殊インキを印刷することで、水の吸水性に差をつけて文字や絵柄を浮き出させることもできます。水が乾くと元の状態に戻るため、何度も繰り返し使うことができます。
水に濡らすと透過性が上がり下地がはっきりと確認することができます。乾くと元の状態に戻ります。

水発色印刷の特徴

  • 水で濡らして文字や絵柄などを浮き出す、視覚効果を利用した演出をすることができます。
    ※水を弾く特殊インキを使うとより表現の幅が広がります。
    ※乾いた状態でも下地が少し透けてしまい、完全に隠蔽はできません。
  • 刷本を支給していただき弊社で水発色印刷のみの印刷も可能です。
    ※入稿方法や刷本の形態につきましては事前に打ち合わせが必要です。進行される前に必ず弊社にご確認ください。

水発色印刷の注意点

  • 印刷後の後加工には注意してください。
    ※PP加工等の表面を覆う加工を行うと効果を失います。
  • メッシュの粗い版を使うため、細かい文字や柄の表現には向きません。
水発色インキの上に、水を弾く特殊インキ(無色)を印刷して文字やイラストが浮き出るようにしてあります。
繰り返し利用できるため、子供用の教材などにも利用されています。
用途 ノベルティ・販促物、文具玩具、生活用品 etc
水発色データ
作成時の注意点
  • データ制作の前に、データ入稿の注意点をご確認ください。
  • 水発色印刷は細かい文字や柄、尖った形は表現できません。
    つぶれてしまうか、印刷されない可能性があります。
膜厚 10μm程度
対応材料 耐水性のある材料。
  • 使用用途によって確認してください。
印刷可能サイズ 四六全判(1091×788)までの材料に対応できます。
  • 材質によって異なります。詳しくはお問い合わせください。
注意点
  • 細かい文字や柄、尖った形は表現できません。
    つぶれてしまうか、印刷されない可能性があります。
  • 印刷後にPP加工等の表面を覆う加工を行うと効果を失います。
  • 保管環境によって、効果が弱くなる場合があります。